自然なこころで生きる

たわいのない話

閉じることのないレクイエム(Girl Now and Then)

この曲は高校生の頃によく聴いた。

あまり聴きすぎたのでその後は聴きたくなくなったほどだ。

ジョン・レノンの金属的でありながらも哀切な声が印象的だった。

同じ恋の歌でもポール・マッカートニージョン・レノンは全く違う。

ロディアスな曲でもジョン・レノンはどこか冷めた感じがする。

冷めてはいるが確かにある情感を感じる。

いや冷めているが故に感じる情感がある。

 


The Beatles - Girl

 

ラバーソウル、リボルバーまでのビートルズの曲は疾走感と統一感があった。

その後の彼ら、特にジョン・レノンの曲は統一感が崩壊してくように感じられる。

繫ぎ止める何かを喪失しつつあるかのようだ。

 


John Lennon - Now and Then (restaured record)

 

彼の最後の録音なのだろうか。

この曲のメロディは悲しく素晴らしい。

彼のメロディの個性がよく出ている。

懐かしく新しいメロディ。

 

しかし、哀切な調べは、目的地を見出せず彷徨う。

統一感を欠いた調べはどこまでも終わることがない。

断片的なメロディのモンタージュ。

 

統一できなければ閉じることができないのだろう。

彼は必死でこの曲を繫ぎ止める何かを探し続けたのだろう。

もし見出せていれば代表作の一つになったかもしれない。

しかし、結局見いだすことができなかった。

だから彼はこの曲を完成させることができず正式に録音することができなった。

彼は音楽家としての自分の最期に気付いたのかもしれない。

この曲はジョン・レノンが自らに送ったレクイエムのような気がする。

閉じることのないレクイエム。