自然なこころで生きる

たわいのない話

手を振る

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雨の神楽坂を出る。 

三田のフレンチの店で昼食。

この店のオーナーシェフのSさんは何年も息子を励まして下さった。

彼はその言葉を糧として数年間過ごした。

 

仕事に厳しく、温かくて優しい心の人が作る料理は気を衒ったところがない。

慈しむように穏やかに素材を活かしている。

それはブレス産の鳩の火入れ、黒トリュフの卵とじなどすべての料理に表れている。

食事を終えシェフと少し話をして店を出た。

しばらく歩いて振り向くと店の外で手を振っている。

ずっと手を振っていたのだろう。

 

ダイヤモンドはダイヤモンドによってしか磨かれない。

同じように、人は人によってしか磨かれない。

 

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朝、親友からメッセージがあった。 

長い間苦労したのだから旅を楽しむようにと。

苦労したのは俺だけじゃない、お前もそうじゃないか。

大学院を首席で卒業した者が読書を禁じられ孤独な修行時代を過ごした。尊厳を傷つけられながら自らの工房を作るため僕となって働いた。

きっとSさんのようにもがき苦しむ若者に頑張れと手を振って励ますのだろう。

 

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雨が止んだ。

 

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ようやく青空になった。

旅の続きにふさわしい空だ。 

残り僅かな旅を楽しもう。