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自然なこころで生きる

たわいのない話

旅の最後の夜

午前

お土産の佃煮を買いに佃島に行く。

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若い頃は東京と言えば青山、新宿、渋谷などを歩いていた。

最近は華やかさや流行に魅力を感じられずむしろ疲れる。

商業主義の嘘くさに踊らされなくなる。

かわりに古い東京の残る街に足が向く。

人の手にかかる良い品で小さな商いをする店が好きになった。

そんな店が残る土地の人と少し言葉を交わす。

お互い懸命に生きてきましたねという気持ちとともに。

 

麻布十番から六本木まで歩いて坂を登る。

身なりの良い人たちが多い。

下町の人たちが懐かしい。

よほどの用事がなければ六本木にくることはない。

帰路は坂を下る。

 

下町の馴染みの寿司屋に行く。

一手間かけた魚を肴に酒を呑む。

カワハギの肝が美味い。

新鮮な魚を食べられる地に住む私が驚く新鮮さ。

濃厚な味わいに酒が進む。

最後に出る巻物はやっと食べた。

酒を飲み過ぎたようだ。

さほど広くない店は満席。

入店から3時間いとまを告げる。

お客さんがまたお会いしましょうと親しげに声をかけてくれる。

年明け早々の予約を入れ店を出る。

働き者の店主と女将さん、些か口は悪いが人は悪くない客、美味い鮨と肴。

気分が悪かろうはずがない。

こうして、旅の最後の夜が過ぎて行く。

 

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